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高齢化と介護の問題。

ちょっと重い話題。

朝、電話が入った。
私の勤めるセンターにずっと来ていなかったお年寄りのクライアントが、overdoseで自殺未遂、現在病院にいるとの事。
病院に確認すると、現在ERにいて、娘さんが付き添っているらしい。

とりあえず様子を知りたいというのと、少しでもEmotional Supportになればと思って病院をVisitする事にした。最初は、行かない方がクライアントの為かな、彼女は今の状態を見られるのが恥ずかしいと思うかもしれないなどと色々考えたのだが、Visitがクライアント、そして娘さんのサポートに少しでもなるだろうと判断した。

ERではクライアントと娘さん、そしてERの精神科医に会う事ができた。
クライアントは、車椅子で移動していたものの、Alertで話をする事ができる状態だったのでひとまず安心した。私が誰かも自分がどこにいるかもきちんと把握していた。それでもその表情をみる限りかなりうつ状態である事には間違いなかったけど。

娘さんとクライアントから話を聞いてみると、どうやら前の晩にクライアントとご主人の間の口論がoverdoseの直接にきっかけになったみたいだ。
この夫婦は二人暮しで、脳梗塞を起こして右半身がうまく動かないクライアントを(クライアントよりも高齢の)ご主人がつきっきりで看病している。彼は会うたびに介護のつらさを愚痴っていた。ヘルパーも雇っているし、沢山のプログラムが彼らをヘルプしているけれど、もともと夫婦仲が良くなかった事も手伝って、二人の心理状況はあまり改善されていない。

一方クライアントは、薬の管理も、下の世話まで夫にお願いしなければならないこと、悪い健康状態を悲観し、夫に対してもうしわけない、自分の存在意義がわからない、と言う。
二人ともモノリンガルで常に通訳が必要なのと、ご主人が疲れてしまって彼女のケアが充分にできなくなったのが原因で、精神科にも定期的には通ってないみたいだ。

モノリンガルでも参加できる介護者向けのサポートグループを探そう。
今来ているヘルパーさんの時間を増やせるかも交渉しなければ。
クライアントが精神科医にもっと定期的に通って、うちのセンターでカウンセリングを受けられる環境を整えなければ。

お年寄り夫婦二人暮しで、子供は海外だったり遠くに住んでいてあまり会えない状態。あるいは子供にも家族ができて親にあまり時間をかけられない。その結果、お年寄りどうしで介護しあう。もちろん介護者も病気をかかえていたり体力が無かったりしてburn outしたり、健康・精神状態を害してしまったり。結果として介護できなくなってしまう。ストレスから虐待になったり、Neglect(介護できなくて放っておく状態)になったりする危険性も高い。こういうケースが増えている。日本でも増えていくだろう。自分の家族を考えても、けして他人事ではない話。私にできることを精一杯やるしかないけれど。
by eugeen | 2005-05-13 10:10 | 仕事・キャリア関連

大学院・結婚・就職・出産その後の生活@Los Angeles and Orange County, CA 最近はすっかりお家派…。


by eugeen