2006年 01月 24日
東京タワー by リリー・フランキー
ネタバレあります・・・。
ベストセラーだから、おそらくあらすじは出回っていると思うけど。
ちょうどこの日記を書こうと思っていたら、Yahooで「東京タワー100万部突破」というニュースが。
そのニュースを受けて、著者のリリー・フランキーさんが出したコメントが、とても心に染みた。
「大切なものを失って、大切な経験をさせてもらった、そんな気がしています。」
彼は、彼の母親が病床に伏しているとき、この本を、お母さんについて書きとどめてみようと思いついたそうだ。途中、中断しながら出版まで4年を要したと言う。(http://www.lilyfranky.com/lilyfranky/column.htmlより)
Mikiさんも書いていた通り、読みながら、自分と自分の両親とのことを思い浮かべる。著者は、小さい頃の両親との交流のディテールをちりばめている。著者と境遇は違うものの、両親とのやり取りの中で著者が感じたようなくすぐったさ、恥ずかしさ、煩わしさやちょっとした失望なんかを私も覚えている。そしてこの本を読みながらそれらを思い出す。
彼の上述のコメントにもあるように、この本を書く事、そして読んでもらう事が彼にとっての「癒しのプロセス」だったのではないか、と私は思った。
この本は、彼のご両親、特にお母さんへの愛情に溢れている。
ところどころにちりばめられた、著者の鋭い分析もよかった。
「搾取する側とされる側、気味の悪い勝ち負けが明確に色分けされた場所で、自分の個性や判断力を埋没させている姿に貧しさは漂う」(p.47)
「かつて当たり前だ(と思っていた)ったことが、当たり前でなくなった時。いらないと思っている人にでも届けられる当たり前が、自分にはかなわない時がある。(そのとき)人は手を合わせて祈るのだろう」(p.69)
注:()部分は私の加筆です。
ベストセラーだから、おそらくあらすじは出回っていると思うけど。
ちょうどこの日記を書こうと思っていたら、Yahooで「東京タワー100万部突破」というニュースが。
そのニュースを受けて、著者のリリー・フランキーさんが出したコメントが、とても心に染みた。
「大切なものを失って、大切な経験をさせてもらった、そんな気がしています。」
彼は、彼の母親が病床に伏しているとき、この本を、お母さんについて書きとどめてみようと思いついたそうだ。途中、中断しながら出版まで4年を要したと言う。(http://www.lilyfranky.com/lilyfranky/column.htmlより)
Mikiさんも書いていた通り、読みながら、自分と自分の両親とのことを思い浮かべる。著者は、小さい頃の両親との交流のディテールをちりばめている。著者と境遇は違うものの、両親とのやり取りの中で著者が感じたようなくすぐったさ、恥ずかしさ、煩わしさやちょっとした失望なんかを私も覚えている。そしてこの本を読みながらそれらを思い出す。
彼の上述のコメントにもあるように、この本を書く事、そして読んでもらう事が彼にとっての「癒しのプロセス」だったのではないか、と私は思った。
この本は、彼のご両親、特にお母さんへの愛情に溢れている。
ところどころにちりばめられた、著者の鋭い分析もよかった。
「搾取する側とされる側、気味の悪い勝ち負けが明確に色分けされた場所で、自分の個性や判断力を埋没させている姿に貧しさは漂う」(p.47)
「かつて当たり前だ(と思っていた)ったことが、当たり前でなくなった時。いらないと思っている人にでも届けられる当たり前が、自分にはかなわない時がある。(そのとき)人は手を合わせて祈るのだろう」(p.69)
注:()部分は私の加筆です。
by eugeen
| 2006-01-24 14:31
| 映画・本・TV・音楽覚書