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Bible - The Book of Books.

聖書勉強会の準備をしながら色々考えたことなど。
毎週、決められた聖書の箇所を解説書を読んでまとめて、勉強会で発表しているのだが、今回はちょっと趣旨を変えて、ヘブル人への手紙の著者、そして書かれた時代背景についてリサーチすることになった。

解説書をひっくり返しながら、聖書辞典(PCにインストールされているプログラム)で検索しながら、聖書が考古学や歴史的な観点からもとても興味深い対象だということが良く分かる。

まず、このヘブル人への手紙の著者は実は誰だかわかっていないのだ。4世紀頃、そして宗教改革、近代と、時代を経て、著者についてずっと議論されているのだ。有力な説がいくつかあるけれど、決定的な証拠は無い、というのが現状。

書かれた時代も、これまた研究対象。学者や研究者たちの間で得られているコンセンサスは、ネロの迫害後の90年頃ではないか、というもの。が、もっと前に書かれたのではないかという説も依然としてある。

著者も執筆時代も、その手紙の内容から結論を引き出しているケースが多い。手紙の内容は、旧約聖書を多用してキリスト信仰を説いており(ユダヤ人向けに書いているから旧約を使用していると考えられる)、忍耐や修練をすすめている。また、終末論についても言及して励ましている。・・・こういった内容から、時代背景としてクリスチャンが迫害されていた時代ではないか、と推測される。また手紙の中に第二世代のクリスチャンが著者であり差出人であることが書かれているので、だいたい65年以降であろう、という推測になるようだ(結論を導き出す過程は実際はもっともっと複雑なんだろうけど^^;)。

さらに興味深かったのは、65年以降、ネロの迫害とパウロの死後、ローマ帝国ではクリスチャンに対する偏見や迫害が続く厳しい時代なのだが、なんとこの時期に新約聖書を形作る重要な文書(パウロの書いた手紙以外)のほとんどが執筆されているというのだ。キリスト教自体の存続も危ぶまれていたような時代に、その後2000年近く読まれ続ける文書の数々が世に出たとは。苦しいときこそ何かを生み出すチャンスなのだ、とInspireされる。

ヘブル人の手紙の一言ひとことが、ちょっとだけ身近に感じた気がした(^^)。

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教会から二人の参加者が、アメリカの教会に転籍した。
最初は日本とアメリカの教会を半分ずつ参加する、と言っていたのだが、夫は、ひとつの教会にStickすることが大切だ、と二人に転籍をすすめていた。国際結婚カップルで、一人は日本語が話せないので、二人の信仰の為には良い決断だったと思う。少々寂しい気持ちは否めないけれど、二人の信仰がさらに整えられることを祈って・・・。
by eugeen | 2006-08-28 11:28 | 教会・信仰

大学院・結婚・就職・出産その後の生活@Los Angeles and Orange County, CA 最近はすっかりお家派…。


by eugeen