5/3~5/10までハリウッドで開催中の、
VC Film Festival 2007 the Los Angeles Asian Pacific Film Festival。アメリカに住むアジア系アメリカ人による映画から、日本や韓国をはじめ様々なアジア諸国の映画も上映されるとあって、ハリウッドまで足を運んできました。
この映画祭を主催している、VC(Visual Communication)は、
ずっと前に観にいったthe Fast and Furious Tokyo Driftの試写会をオーガナイズしていた会社。
日本の映画では、役所公司さん主演の、黒澤清監督によるホラー映画が観たかったのだが、上映時間がちょっと遅かったため、断念。観たのは、ホームレスであり画家でもある、ある日系アメリカ人に焦点を当てたドキュメンタリー、
the Cats of Mirikitani。これが心温まるお話しで、とっても良かった!(写真はその画家による絵)
この映画の監督、Linda Hattendorfが数年をかけて取材(途中は家に住まわせてあげる時期も)したのは、NYCに住む、毎日絵を描き続ける、ちょっと偏屈な80歳のおじいさん、ミリキタニさん。第二次大戦によって家族を失い、また収容所生活で財産やアメリカ市民権までも奪われた彼。抑圧された傷心を、生き残った家族との再会や収容所をもう一度訪れる事で、少しずつ癒していく、とてもtherapeuticなお話しだった。
大戦中、アメリカで生まれたにもかかわらず祖先が日本人であるというだけで、1000万人以上の日系人が自由を奪われ、強制収容されたという歴史は、私がアメリカに来てまもなく知った驚愕の事実だった。
Lindaが年金を申請するようにと勧めても、かたくなに拒む彼の姿は、彼の全てを(人権をも)奪った政府への不信感に満ち満ちていた。
それでも、家族との再会や戦争について語る日々、アートを教える日々を通じて彼の感情がプロセスされていき(これらすべてLindaのヘルプによるもの・・・!)、最後に、Tule Lakeにあった収容所跡地を訪れた後の、彼の"I am not mad anymore"という言葉に、彼の中でようやく苦しみから解放される様子が伝わってきた。
このミリキタニさんのキャラクターもこのドキュメンタリーに欠かせない要素。気持ち良さそうに演歌(北国の春!)を熱唱する彼の姿には観客も大笑い。
アクションとスリル満載なハリウッド映画も良いけれど、こんなドキュメンタリーこそずっと心に残る気がした。良い出会いに感謝!
さて、映画を観終わってから向かい側のCoffee Beanでお茶していたら、
TVシリーズHeroesに出てくる俳優さん(Hiroの同僚、
EndoAndo君役の人)を発見!!(写真は
こちら・・・メガネかけていない方の人)デジカメを持っておらず写真を撮るには至らず残念・・・でもハリウッドをhang outしていると、刺激たっぷりなんだわ~とOCのんびりライフにどっぷり浸かっている私は思ったのでした(^^)。
(後日談・・・どうやら
EndoAndo君、VCフィルム・フェスティバルを観に来ていたようです!)